昔話 2

そんな状況の中大事件が発生します。圧倒的勢力を誇るGANG勢力の分裂です。当時戦争したいがためにGANG勢力から圧力をかけられ続け、絶望的な戦いを繰り広げていた反GANGと呼ばれる人たちはここで大きな選択肢を突きつけられました。




GANG勢力から敵対することとなったレン様を始めとする反NS勢力と手を結び、そのことによってGANG勢力と全面戦争に突入するか。はたまた、戦争屋の矜持を守るためあえて独立を保ち絶望的な戦いを続けるか。



多くの反GANGと呼ばれる人たちは前者を選択しました。そしてたった一人竜騎師だけは後者を選択しました。その後の展開は良く知っての通りです。FMと反GANG勢力の結集は劇的化学反応を起こし、あれだけ圧倒的優勢だったGANG勢力を一瞬にして駆逐してしまったのです。信じられない奇跡!大逆転勝利!



…しかし、手段を問わず結果だけを求めた反GANG勢力は、戦争に参加しないプレイヤーからの支持を失うどころか、悪の片棒を担ぐ一員としてのレッテルを貼られてしまうという取り返しようが無い汚点を残す結果となってしまいました。



その後、GANG勢力との抗争が激化する中、かつて反GANGと呼ばれる人たちは、ある意味その抗争との心中を選択し、感情の赴くまま目には目を歯には歯をという、理念も何も無いただただ憎しみの連鎖だけが続く、泥沼の抗争に突入していくこととなったのです。



ただただ敵対の人たちと、リネというゲーム内であくまでも格闘ゲームとして斬りあいを楽しみたかった、強い敵に対しては尊敬の念を持って接するというプレイスタイルを頑なに貫いていた自分は、当時のプリであったレン様の指示をほとんど無視する形での単騎特攻を延々と繰り返し続け、あげくの果てにはレン様の天敵であったインクレに移籍することとなってしまいました。



しかし、NSを潰すことだけを目標としクラン一丸となって戦い続けるインクレの中に、単純に単騎でのPKを楽しみたいだけの自分の居場所などあるはずも無く、そこからも去ることとなり、かつてのプリであるレン様やこんな自分をわざわざ勧誘してくれたキノコパワ一さんに対するケジメとして抗争から身を引くことを決断しました。